御朱印を始めたいけれど、どこから手をつければいいか分からない——そう感じる方は多いと思います。御朱印帳の使い方には絶対的なルールは少ないものの、知っておくと安心できる基本の手順がいくつかあります。
御朱印は、神社やお寺に参拝した証としていただくものです。スタンプラリーとは異なり、参拝してから受付で申し込む流れが基本です。御朱印帳の開き方や最初のページの扱い方、神社とお寺での使い分け、書き置き御朱印の保管方法まで、一つひとつ確認しておくと現地で戸惑わずに済みます。
この記事では、御朱印帳の準備から実際のいただき方・保管まで、初めて御朱印集めをする方が押さえておきたい流れを調査してまとめました。細かいマナーは寺社によって異なる部分もありますが、基本を理解しておけばほとんどの場面で対応できます。
御朱印帳の使い始め方|準備しておくと安心なこと
御朱印帳を手に入れたら、いきなり参拝に出かける前に準備しておくとよいことがいくつかあります。表紙の記入・名前の書き方・開き方の確認など、あらかじめ整えておくと、現地でスムーズに動けます。
表紙ラベルに「御朱印帳」と記入する
御朱印帳によっては、表紙に「御朱印帳」と書かれたラベルが空白で付属している場合があります。この場合は自分でラベルに「御朱印帳」と記入して、表紙の左上に縦向きで貼ります。すでに「御朱印帳」と印刷されているものはそのまま使えます。「御朱印帳」の代わりに「御朱印帖」「納経帳」「集印帳」と書く方もいます。
記入の際は丁寧な文字で書くことを心がけると、御朱印帳全体の印象が整います。必須の作業ではありませんが、最初に整えておくと気持ちよく使い始められます。
裏表紙に名前・住所を書いておく
御朱印帳は、参拝中に授与所や社務所に一時的に預けることがあります。他の方のものと取り違えたり、紛失したりしたときのために、表紙裏または裏表紙の裏側に自分の氏名と住所・連絡先を書いておくと安心です。
寺社オリジナルの御朱印帳には、あらかじめ氏名記入欄が印刷されているものもあります。外から見えない箇所への記入なので、御朱印のスペースを圧迫することはありません。旅先でのお参りが多い方は特に書いておくと安心です。
1. 表紙ラベルに「御朱印帳」と記入して貼る(空白ラベルがある場合)
2. 裏表紙の裏側に氏名・住所・連絡先を記入しておく
3. 御朱印を書き入れてほしいページを確認しておく(開き方の確認)
4. 持ち運び用のカバーや御朱印帳袋を用意する
1ページ目の扱い方を考えておく
御朱印帳の最初のページをどう使うかについては、絶対的なルールはありません。ただし、「1ページ目は伊勢神宮のために空けておく」という考え方が一部に広まっており、伊勢神宮の参拝予定がある方は2ページ目から使い始める選択肢もあります。
この慣習はあくまで任意であり、1ページ目に他の神社の御朱印をいただいても問題はありません。寺社オリジナルの御朱印帳の場合、1ページ目にあらかじめ御朱印が書かれているものもあります。氏神様や自分の菩提寺の御朱印を1ページ目にする方もいます。自分の信仰心や考え方に合わせて自由に決めてよい部分です。
御朱印帳の開き方と書き入れの向き
御朱印帳は基本的に右開きです。蛇腹式・和綴じ式どちらも同じ向きで開きます。表紙を開いて最初に現れる右側のページは「表紙裏」にあたるため、御朱印は左側のページから順にいただく形が一般的です。
通常、1ページに1寺社分の御朱印を書き入れてもらいます。御朱印を受け付ける際は、書き入れてほしいページを開いた状態で渡すと、受け付ける方がスムーズに対応できます。しおりを使って空きページをすぐ開けるようにしておくと、混雑している場所でも戸惑わずに済みます。
- 表紙ラベルへの記入・貼付は使い始め前に済ませておく
- 氏名・連絡先は裏表紙の裏側など御朱印スペース以外の場所に書く
- 1ページ目の扱いは任意。伊勢神宮のために空けるかどうかは個人の考え方による
- 御朱印帳は右開きが基本。書き入れてほしいページを開いた状態で渡す
御朱印のいただき方|参拝から受け取りまでの流れ
御朱印のいただき方の流れは寺社によって若干異なりますが、基本的な手順は共通しています。各ステップを確認しておけば、初めての参拝でも落ち着いて対応できます。
まず参拝をしてから受付に向かう
御朱印は参拝した証としていただくものです。参拝よりも先に御朱印を受け取ることは、多くの寺社でマナー違反とされています。本殿・本堂でのお参りを済ませてから、授与所・社務所(神社の場合)または寺務所・納経所(お寺の場合)に向かうのが基本の順序です。
ただし、混雑緩和のために「先に御朱印帳を預けてから参拝してください」と案内している寺社もあります。その場合は指示に従って問題ありません。案内板や受付の方の指示を確認してから行動するとよいでしょう。
受付で御朱印帳を渡す際のマナー
授与所や寺務所に着いたら、書き入れてほしいページを開いた状態で御朱印帳を両手で渡します。「御朱印をお願いできますか」と一言添えると丁寧です。御朱印の種類が複数ある寺社では、どの御朱印をいただきたいかを伝えます。
御朱印帳を受け取った後は、静かに待ちます。書き手の方が一筆一筆丁寧に書いてくださっている間、大声でのおしゃべりやスマートフォンの操作は控えましょう。書き入れが完成したら、両手を添えて受け取り、お礼を伝えます。
| 受け渡しの場所 | 神社での呼び方 | お寺での呼び方 |
|---|---|---|
| 御朱印受付窓口 | 授与所・社務所 | 寺務所・納経所 |
| 代金の呼び方 | 初穂料(はつほりょう) | 納経料・志納料・お志 |
| 代金の相場 | 300〜500円程度 | 300〜500円程度 |
| 代金の目安 | 「お気持ちで」の場合も300〜500円程度 | 「お気持ちで」の場合も300〜500円程度 |
初穂料・納経料の納め方
御朱印の代金は神社では「初穂料」、お寺では「納経料」や「志納料」などと呼ばれます。多くの寺社で300〜500円程度が目安です。金額が掲示されている場合はそれに従い、「お気持ちで」と言われた場合は300〜500円程度を目安に納めるとよいでしょう。
なお、初穂料・納経料の金額は各寺社によって異なるため、最新の情報は参拝する寺社の公式サイトや現地での確認をおすすめします。お釣りが出ないよう小銭を用意しておくと、受け付ける方にとっても親切です。お賽銭やおみくじなど寺社では小銭を使う場面が多いため、参拝前に準備しておくとよいでしょう。
- 参拝を済ませてから授与所・寺務所に向かうのが基本の順序
- 混雑緩和のために先に預けるよう案内している寺社もあるため、指示に従う
- 御朱印帳は書き入れてほしいページを開いて両手で渡す
- 書いていただいている間は静かに待ち、完成後は両手で受け取りお礼を伝える
- 初穂料・納経料は300〜500円程度。金額は各寺社で異なるため事前確認がよい
御朱印帳の使い方に関するよくある疑問
御朱印帳の使い方で迷うポイントはいくつか決まったものがあります。「神社とお寺で分けなければいけないのか」「裏面も使っていいのか」といった疑問を実際の情報をもとに整理しました。
神社とお寺の御朱印帳は分けるべきか

神社とお寺で御朱印帳を分けなければならないという絶対的なルールはありません。ただし、神社とお寺の御朱印が混在していることを理由に御朱印を断る寺社が稀にあるのは事実です。そうした対応はごく一部にとどまりますが、「分けることで問題になることはない」ため、迷う場合は分けておくと安心です。
一方、同じ御朱印帳に参拝した日付順で記録しておくことで、後から見返したときに参拝の記憶が辿りやすくなるというメリットもあります。どちらを選ぶかは個人のスタイル次第で問題ありません。分けておくと管理しやすい、という実用的な側面もあります。
裏面も使っていいのか
御朱印帳の裏面を使うかどうかに決まりはありません。両面使いをしている方も多くいます。ただし、紙質や書き手の墨の量によっては裏写りが生じることがあります。特に墨の多いお寺の御朱印は裏写りしやすい傾向があります。
裏写りが気になる方は片面のみの使用でもよく、裏写りが目立つページへの書き入れを断る寺社も稀にあります。裏写りを抑えたい場合は、紙質にこだわった御朱印帳を選ぶことで対応できます。蛇腹式の御朱印帳は一枚の和紙を折り畳んだ構造のため、表と裏は別の紙面であり、適切な紙質のものを選べば両面で使いやすいとされています。
Q. 神社とお寺は分けなければいけない?
→ 絶対的なルールはなし。稀に断られるケースもあるため、迷ったら分けるのが安心。
Q. 裏面も使っていい?
→ 決まりはなし。紙質によって裏写りの程度が異なるため、紙質の確認を。
Q. ノートやメモ帳に書いてもらえる?
→ 御朱印帳以外への書き入れはマナー違反とされている。御朱印帳を忘れた場合は書き置きを依頼するとよい。
御朱印帳を忘れたときはどうする
参拝に行ったものの御朱印帳を持参し忘れた場合でも、諦める必要はありません。多くの寺社では「書き置き御朱印」として、あらかじめ和紙などに書かれた御朱印を用意しています。その際は「今日は御朱印帳を持参しておりませんが、書き置きでいただけますか」と伝えると対応してもらえる場合があります。
ノートやメモ帳、書類の裏面などへの書き入れを求めることはマナー違反とされているため、避けましょう。書き置き御朱印は後日御朱印帳に貼り付けるか、専用のファイルで保管できます。
- 神社とお寺の使い分けは任意。迷う場合は分けておくと安心
- 裏面使用に決まりはないが、紙質を確認した上で判断するとよい
- 御朱印帳以外への書き入れはマナー違反。忘れた場合は書き置きを依頼する
- 裏写りが気になる場合は紙質にこだわった御朱印帳を選ぶ方法もある
書き置き御朱印の扱い方と保管方法
近年、書き置き御朱印(紙でいただくタイプ)を授与している寺社が増えています。書き置きはいただいた後の保管方法が選べるため、自分のスタイルに合った方法を確認しておくと便利です。
書き置き御朱印とは何か
書き置き御朱印とは、神職や僧侶が御朱印帳に直接書き入れる「直書き」とは異なり、あらかじめ和紙などに書かれた状態で授与される御朱印のことです。書き手が不在のとき・混雑時・特定の行事期間中・参拝者が御朱印帳を持参しなかったときなどに対応されます。
書き置き御朱印も、神職や僧侶が心を込めて書いたものです。直書きと価値が異なるわけではなく、どちらも参拝の証として同様に大切に扱いましょう。
御朱印帳に貼る方法
書き置き御朱印を御朱印帳に貼る場合は、スティックのりやテープのりを使うと比較的きれいに貼れます。のりはたっぷりつけすぎると和紙がシワになりやすいため、少量ずつ使うのがポイントです。貼り付ける際は紙の四隅から押さえるようにすると、気泡が入りにくくなります。
書き置き御朱印のサイズが御朱印帳よりも大きい場合ははみ出してしまうことがあります。大判サイズの御朱印帳であれば書き置き御朱印の多くに対応しやすいとされています。切り絵や刺繍タイプの立体的な御朱印は、御朱印帳に貼ると帳面が膨らむため、次のページへの書き入れを断られる場合もあります。
専用ファイルやホルダーに保管する方法
書き置き御朱印を切ったり貼ったりせずに保管したい方には、書き置き御朱印専用のホルダーやファイルが活用されています。写真アルバムと同じ仕組みで、御朱印をフィルムの間に差し込むだけで保管でき、貼り直しも可能です。切り絵御朱印など立体的なものの保管にも向いています。
保管方法は「御朱印帳に貼る」「専用ファイルに収納」のどちらが正しいということはなく、個人のスタイルや好みに合わせて選べます。保管後は、湿気の少ない場所・直射日光が当たらない場所に置くと、和紙や墨の劣化を防ぎやすくなります。
- 書き置き御朱印は直書きと同様に参拝の証。丁寧に扱うことが大切
- 御朱印帳に貼る場合はスティックのり・テープのりを少量ずつ使うと仕上がりがきれいになりやすい
- 切り絵・刺繍タイプは御朱印帳への貼り付けより専用ファイルへの保管が向いている場合がある
- 保管場所は直射日光と湿気を避けた場所が望ましい
御朱印帳の保管方法と扱い方の考え方
御朱印帳は使い終わった後も大切に保管するものとされています。保管方法に厳密なルールはありませんが、御朱印を神仏とのご縁の記録として扱う姿勢が基本となります。
保管場所の目安
御朱印帳の保管場所には決まったルールはありませんが、目線より高い場所・神棚や仏壇の近く・本棚の上段などが望ましいとされています。御朱印は神様や仏様の分身ともされることから、床に置いたり乱雑に扱ったりすることは避けるのが自然な配慮です。
実際には本棚に並べている方が多く、専用の整理箱や桐箱を使って保管する方もいます。御朱印帳を複数冊保管する場合は、なるべく湿気の少ない場所を選ぶとよいでしょう。和紙と墨は湿気に弱いため、浴室や台所の近くなど湿度が上がりやすい場所は避けた方が安心です。保存環境の湿度管理については、環境省が公開している文化財保存の参考情報なども役立ちます。
持ち運びの際の注意点
参拝中に御朱印帳を持ち歩く際は、専用の御朱印帳袋やカバーに入れると表紙の傷みや汚れを防げます。授与所に預けた後、別の方の御朱印帳と取り違えることを防ぐためにも、名前や住所を裏表紙に書いておくことと合わせて、見分けのつくカバーを使うのも一つの方法です。
御朱印を書き入れてもらった直後は墨が乾いていないことがあります。御朱印帳を渡す際には「はさみ紙」(吸い取り紙)が間に挟まれていることが多いため、受け取ったらそのまましばらく閉じておかず、乾燥するまで少し広げておくと墨のにじみを防ぎやすくなります。
| 保管の考え方 | 具体的な方法 | 注意点 |
|---|---|---|
| 自宅での保管場所 | 本棚の上段・神棚や仏壇の近く・専用整理箱・桐箱 | 床置き・直射日光・湿度の高い場所は避ける |
| 持ち運び時 | 御朱印帳袋・カバーを使用 | 墨が乾く前は閉じたままにしない |
| 書き置き御朱印の保管 | 御朱印帳に貼付・専用ファイル・御朱印ホルダー | のりの使いすぎ・シワに注意 |
御朱印帳が使い終わったら
御朱印帳が全ページ埋まったら、新しい御朱印帳を用意します。使い終わった御朱印帳は参拝の足跡が詰まった大切な記録です。処分に困った場合は、近くの神社やお寺に奉納するという選択肢もあります。捨て方に迷ったときは、参拝先の寺社に相談してみるとよいでしょう。
- 保管場所に絶対的なルールはないが、目線より高い場所・乾燥した場所が望ましい
- 持ち運びには御朱印帳袋やカバーを活用する
- 書き入れ直後は墨が乾くまでしばらく広げておくと墨のにじみを防ぎやすい
- 使い終わった御朱印帳の処分に迷ったら、寺社への奉納も選択肢の一つ
まとめ
御朱印の使い方は、「参拝してから受付に向かう」という基本の流れさえ押さえれば、初めてでもスムーズに進められます。御朱印帳の準備・いただき方・書き置きの保管まで、手順を一度確認しておくだけで現地での戸惑いが格段に減ります。
まずは手元に御朱印帳を一冊用意し、近くの神社かお寺に参拝してみてください。受付で「御朱印をお願いできますか」と伝えるだけで大丈夫です。
御朱印集めは、参拝の記録を積み重ねていくものです。最初の一冊が埋まるころには、自分なりの使い方のスタイルが自然と固まってきます。焦らず、参拝を楽しみながら続けてみてください。


